意外に知らない活性炭フィルターの効果
- Seki Water System
- Nov 21, 2018
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ご家庭やレストランなどで、白い汚れが目立つことってよくありますよね。これは、水に含まれるカルシウム、マグネシウムが水垢として付着したもので、カルシウムが多い水道水を使っているとよく目にすることだと思います。特に、サンアントニオは、水が固い地域なので、この現象がどこのご家庭、レストランでも起きていると思います。
先日、あるケータリング会社のキッチンに伺った際、パスタクッカーに白い水垢が付着するので、フィルターで除去しているというお話を聞きました。そのフィルターを見たところ、活性炭(Active Carbon)を利用したものでした。
また、あるレストランでは、製氷機に活性炭フィルターがついておりました。レストランシェフに伺ったところ、白い水垢がこびりついて掃除が大変なので、ある業者に相談したところ、このフィルターを勧められて買ったとのことでした。
この活性炭フィルター、多くの小売店などで販売されておりますが、カルシウム、マグネシウムが主成分の白い水垢を除去するという点で機能しているのでしょうか?
答えは、Noです。活性炭フィルターでは、水垢の主成分であるカルシウムやマグネシウムは除去できません。
では、活性炭は、どのような効果があるのでしょうか?

活性炭は、樹木やヤシ殻、石炭などを高温処理したもので、炭素を主成分としています。表面に多数の微細な孔を持ち、その表面積が大きいため、ここに水中の不純物を吸着させ除去します。この「吸着」という言葉がポイントで、多くの場合、活性炭フィルターは、ろ過する水に含まれる不純物を引っ掛けて取り除いているわけではなく、吸着して除去しています。ですから、活性炭が吸着しない物質には利用しても効果がないのです。
■活性炭が吸着できるもの代表例
有機化合物(ベンゼンなど)、農薬、塩素、フッ素、臭気、着色物質など
■活性炭が吸着できないものorしにくいものの代表例
硝酸塩、リン酸塩、カルシウム、マグネシウムなど無機イオン物質。
このように活性炭の主な用途は、水の中の残留塩素や臭気などを取り除くためのものであり、白い水垢の原因であるカルシウムとマグネシウムを除去する機能は有していません。皆さんが小売店で浄水器を買おうとされる時も購入される目的を明確にしてから購入されることをお勧めします。
上記二つ目の事例に戻りますが、レストランシェフの方は、製氷機の白い汚れでお悩みだったのに、相談された業者は、活性炭フィルターを設置していった・・・つまり、これは、完全に間違った処置になります。
日本では、昔から、ご飯を炊くときに炭を入れて炊くという習慣がありますよね?これは効果があります。ご飯のにおいの原因になるカルキや色の原因となる着色物質を炭が吸着しますので、炭を入れてご飯を炊くと真っ白なおいしいご飯を炊くことができます。
Reverse Osmosis(RO)システムでも、Membraneという膜の後、最後に活性炭フィルターに水を通し、においなどを除去、水の味を整えています。

なお、白い水垢の原因となるカルシウムとマグネシウムを除去するためには、軟水器の設置が最も適したソリューションになります。軟水器については、過去のブログでも取り上げていますので、こちらから、参照してください。
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